今日ご紹介しますのは、たえさんが勤める書店でも、かなりの人気を有している小説が原作のコミック、
「ふつつかな悪女ではございますが~雛宮蝶鼠とりかえ伝」です。
第一巻は、2021年6月発売。発行は一迅社「ZERO-SUMコミックス」。
原作 | 中村颯希 |
キャラクター原案 | ゆき哉 |
コミック | 尾羊英 |
こちらは、小説が原作となっています。
イラストもとても綺麗ですね
あらすじ
『殿下の胡蝶』と謳われる黄家(こうけ)の雛女(ひめ)・玲琳(れいりん)は、宮中一の嫌われ者である朱家(しゅけ)の雛女(ひめ)・慧月(けいげつ)の手にかかり、互いの身体を入れ替えられてしまった。牢に入れられ、入れ替わりの事実は話せず、己を害した罪に問われ死を目前とする玲琳(れいりん)…と、思われたが。病弱ゆえ常に“死”と隣り合わせで過ごしてきた玲琳(れいりん)は、むしろ健康な身体を手に入れたことを喜んでしまい、持ち前の鋼メンタルで次々と逆境を乗り越えていく――!?
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世の中に、「異世界もの」が流行りだして、もう幾年。
はい、たえさんも、「異世界もの」大好物です♪
というわけではないのですが、こちらの「ふつつかな悪女ではございますが」。異世界ものではありません。流行りの転生ものでもございません。
道術により、魂が入れ替わった2人のお姫様のお話、といった感じでしょうか。
そして、あらすじの通り、ちょっぴりはちゃめちゃ……いえ、だいぶ、はちゃめちゃなお話です(笑)
たえさんは、斬新さを感じましたよ
「ふつつかな~」オススメポイント
ではまず、「ふつつか~」を推すポイントをご紹介♪
- 設定がかなりしっかりしている
- 主人公が予想の斜め上をいっている
- しっかりとしたストーリー
主人公「玲琳」が、良い意味で予想外でした
「ふつつかな~」を読んで欲しい人
こんな方が読まれたら、きっと満足いただけるかと♪
- 最近、こういうのって「ありきたりだよね」と思ってる人
- 読んでスカッとしたい人
- 読んで元気をもらいたい人
スカッとしたくて、もう何回も読んでます
オススメポイント1 設定がかなりしっかりしている
原作である小説の方はまだ読んでいませんが、きっとこの小説を書かれた中村颯希さんは、この世界観が大好きなんでしょうね。
ですから、とても細かなところまで、きっちりと設定されていて、実際に存在しない国であったり風習であるのだろうけど、物凄くしっくりと頭に入ってきます。
雛姫という設定
主人公である「玲琳」を含め、主要登場人物の5人の雛姫はそれぞれ、「藍家」「金家」「玄家」「朱家」、そして玲琳の「黄家」から、皇帝の妃として雛宮に住んでいます。
いずれこの中から、「皇后」が選ばれ、残りの四人は「四夫人」の座につく、というもの。
雛姫にはそれぞれ、現「皇后」と「四夫人」がバックについています。
それぞれが教育係となって、雛姫を一人前の妃に育てるといった感じですね。
物語では、玲琳が皇后に一番近いところにいるといった感じでしょうか。
幼い頃から現皇太子のお気に入りであり、バックには現皇后がついているわけですからね。
それだけではなく、容姿も性格も、すべてにおいて一目置かれていて、周りが、
「もう次世代の皇后は、玲琳様しかいらっしゃらない」
といった感じなんです。
いや、このあたりの設定も凄くないですか?
よくこんなシステム? というか、考えたなぁ、と感心です。
「五家」にいたっても、それぞれ、得意・不得意なこと、また人間の性質にいたるまで、細かな設定があって、読んでいる人をぐいぐい惹きつけてくれます。
例えば、
「何事にも諦めないのが『黄家』の人間だから」
だとか、
「美に関しては一歩を譲らないのが『金家」の人間」
といった具合です。
描かれている衣類や建物も、しっかりと設定されているようです。
オススメポイント2 主人公が予想の斜め上をいっている
なんでしょう、無知とは怖いものですね。
たえさんは、こちらのコミックを読む前まで、
「ありきたりな、とりかえ伝、でしょ?」
と思っていました。
なんて言いますか、突然とりかえられてしまって、さあ、どうしましょう。大変! みたいな。
でも違いました。
何が違うって、主人公の玲琳というキャラクターが、思いのほか「強かった」(笑)
どうやら一部のファンの間では「鋼姫」と呼ばれているようですね。
それは、あらすじにもあるように「鋼のメンタル」を持っているからです。
とりかえられてしまう前の玲琳は、とても体が弱い雛姫でした。
ちょっとしたことで熱が出るわ、倒れるわ。
なので、玲琳はふだんから顔色の悪さを隠すためにお化粧をしたり、周りに迷惑をかけないために、自分で薬を調合して適宜飲んでいたり。
自分の体の弱さのせいで、周りに迷惑がかかるようなことがないようにと、心もとても優しい雛姫でした。
そしてそれらを、表には決して出さないという、強い心の持ち主でもありました。
周りから大切にされ、優しさも惜しみなく与えられていた玲琳です。
普通、とりかえられてしまったら、少々嘆き悲しみますよね。これまでの境遇とは一変するわけですから。
ところが、玲琳は与えられた健康的な体に大感動し、雛姫らしからぬ、草引きをしたり、畑を耕したり。
どんなに体を駆使しても、疲れない、倒れないことにまた感動します。
また、普段なら少し食べると体の具合が悪くなってしまう食の細さですが、健康体なものですから、とにかく食べる(笑)
「わたくし、芋揚げが飲める!」
は、名言だと思っています(笑)
さて、ここまで読んで、
「あれ……?(笑)」
たえさんは読みながら、ちょっと混乱(笑)
それと同時に、
「なんか、面白い主人公キタ!✨」
と、どんどん惹きこまれてしまい、何度も読み返してしまうんですよね。
なぜなら、すべてをポジティブに考えていく玲琳のスタイルは、本当に元気をもらえるからです。
たえさん的に、
歴代のトップ3に入るぐらい大好きな主人公になりました。
オススメポイント3 しっかりとしたストーリー
そうなんです。
この手のお話は、たいてい似たり寄ったりになるので、そこまで面白いと感じることはないのですが、「ふつつかな」は違いました。
玲琳の明るくポジティブな性格に楽しませてもらいながらも、前世代からの因縁やら、登場人物たちの心情やら。
なんだか陰謀くさい出来事やら、厳しい生い立ちやら、しっかりとダークな面も描かれています。
ただ、ただ、能天気な主人公が、やんややんやと騒いでいるだけではなく、その裏にあるストーリーもかなりしっかりしているというところが、注目すべき点であり、この小説とコミックが大勢の人から愛される要素でもあるような気がします。
数人のキャラクターの生い立ちなんて、かなり暗いものがあったりもするのですが、それでも物語全般を暗いものにせず、やはり「鋼姫」の明るさと利口な一面に救われていると思うのです。
実は、このブログを書くにあたり、もう一度読み返してしまいましたが、現在(2022年9月現在)発売されている3巻まで、またしっかり読み返してしまいました(笑)
それだけ惹きつけるものがあると思います。
ストーリーに明暗があるからこそ、惹きこまれるのでしょうね
最後に
たえさんの個人的感想ですが、やはり作者の方が大好きな時代設定であったりすると、物語に芯ができてとても面白く描かれていきますよね。
この「ふつつかな悪女ではございますが」も、きっとその部類だと感じました。
曖昧な知識では、ここまで緻密に書けないと思うのです。
「ああ、これは手放せないな」
そう思わせてくれた、良いコミックと巡り合いました♪
Originally posted 2022-09-03 20:19:32.
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