【最期の火を灯す者】「火葬場で働く僕の日常」いずれみんな、ここに行きつく

今回ご紹介するのは、少しだけホラーちっくな、それでいて、生きている人たちみんな、いずれは「ここ」に行きつくことになる、「火葬場」のお話。

最期の火を灯す者「火葬場で働く僕の日常」

原作下駄華緒
漫画蓮古田二郎
出版竹書房 BAMBOO ESSAY SELECTION
発行2021/9/24
「火葬場で働く僕の日常」

あらすじ

“僕の仕事は亡くなった人をあの世に送ることーー。”

YouTubeチャンネル「火葬場奇談」が話題!!

これまでに1万人のご遺体を見送った男・下駄華緒の火葬場職員時代の壮絶体験を漫画化!!

【内容】

「火葬場職員は人生の締めくくりをしてあげられるすばらしい仕事」と熱い気持ちを抱き火葬場の門を叩いた下駄華緒。

晴れて火葬場職員になった下駄青年であったが、火葬場では日々壮絶な出来事が待ち受けていたーー。

火葬炉の火の中で動き出すご遺体、火葬中に破裂したご遺体の骨片や肉片による怪我、ずっしり重く豆腐のような状態で棺に収められた水死したご遺体などなどーー。

個性あふれる同僚職員たちと様々な業務を通し、一人前の火葬場職員になるまでの日々を描くーー!!

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とにかくですね、いろいろとグロイ表現もありますから、苦手な人はここで回れ右ですよ。

でも、たえさんもこれまで何度もお葬式には立ち合いました。

まだアラフィフですが、アラサーの頃、アラファーの頃に、父と母、両方を見送っています

母は病死、父はお風呂での事故死。

母は火葬場でのお見送りも可能でしたが、父とは亡くなったと連絡が来てからお骨になるまで、姿を見ないままでした。

ですが、どちらも火葬場で焼かれ、お骨になった次第です。

この火葬場って、本当にどうなっているのかわからなくないですか?

ご遺体を焼くのにも、結構な時間とかかかりますよね。

でもって、いったい中はどうなってるの?

などなど。

そんな疑問を、火葬場に勤めていらっしゃった原作者、下駄華緒さんが教えてくれる本というわけです。

たえさんは、書店のお客様がこちらを取り寄せしたことで、
この本の存在を知り、たえさんも即お取り寄せした一冊です。

「火葬場で働く僕の日常」のオススメポイント

ではまず、こちらのコミックのオススメポイントを!

  • 火葬場の内部がわかる
  • 「ご遺体」の様子によっての違いがわかる
  • 火葬場で働いている人達の心情がわかる

たえさんは、二つ目がとてもありがたいと感じました。

「火葬場で働く僕の日常」を読んで欲しい人

こういう思いを抱いている方は、一読すべしです。

  • 決して覗くことができない、火葬場の中を見たい人
  • 死した後、火葬場でどう扱われるのか知りたい人
  • 火葬場で働く人たちの心情を知りたい人

火葬場に到着から、お骨あげまでの「間」を知る事ができます。

オススメポイント1 火葬場の内部がわかる

普段、我々は、お葬式の後に火葬場へと赴き、ご遺体を炉の中に身負った後、数時間、待機室で待ちます。

では、その間。

炉の中のご遺体はどうなっていくのか。

職員さんたちはどんな風に仕事をしているのか。

考えたことあります?

実はたえさんは、小さな頃からよく考えていました。

火葬場で働くって、決して楽なことではありません。とても大変な仕事だと思います。

たえさんは昔、従兄弟を交通事故で亡くしました。

こちら側の居眠りの正面衝突で、ご遺体のお顔もだいぶ変形してしまっていました。

それを拝見した時に、

「いつもと違う💦」

という状況が呑み込めず、ただひたすら怖かったのを覚えています。

あんなに素敵でかっこよかったお兄ちゃんの変わり果てた姿に、頭が追い付かなかったんですね。

そういうこともあり、

そういった「いつもと違う」姿になっていくご遺体を、職員の皆さんはずっと見ているのだろうか。

「ご遺体」が焼かれていく途中って、かなり大変な様子なんじゃなかろうか。

そんな思いが強くて、こちらの本を購入したのですが。

いやはや。

しょっぱなから、もう、うわああ……な感じでしたが、とても衝撃的でした。

やっぱりという思いと、マジか……という思いと。

でも、知ろうとしなければ、きっと自分がこの炉の中に入るまで知らなかったことだと思うので(いや、炉に入ってる時点で知る由もなしか)、知識として知る事かできて良かったと思っています。

正直しばらく頭から、『画』が離れませんでした。

オススメポイント2 「ご遺体」の様子によっての違いがわかる

ご遺体には、さまざまなものがあります。

老衰の方、病気で亡くなられた方、事故で亡くられた方。

こちらの業界で「P」と呼ばれる、「ペースメーカー」がついたままの方、小さなお子様。

本当にさまざまだと思います。

そして、その「さまざま」により、「さまざま」な対応をされているということがよくわかりました。

うちの父は、先ほどもちらりと書きましたが、自宅での孤独死でした。

お風呂の中に頭から突っ込み、数日そのままだったものですから、ほぼ原形はありません。

遺体を確認してくれた義弟によれば、顔が二倍には膨れ上がっていたと。

遺体はそのまま、大きなビニール袋のようなものに入れられ、葬儀場につくとすぐに棺桶に入り、ドライアイスやら防腐剤やら、防臭剤を詰め込まれました。

いわゆる「水死体」というものです。

そしてそのまま、誰にも最後の顔を見てもらえず、火葬場の炉の中へと消えていったんです。

そんな父のような、特殊な亡くなり方をされた方の、炉での様子などを、こちらのコミックは描いてくれていて、

「そうか。父はこんな風に……」

としみじみ思ったものです。

火葬場では、ただ通常よりも焼却時間が長いな、ぐらいにしか思わなかったので、どうして長かったのかなどが知れてよかったと思っています。

あと、「P」と呼ばれるペースメーカーが装着されたままのご遺体の危険性なども知る事ができました。

なかなか、本当に、このお仕事は大変なようです。

オススメポイント3 火葬場で働いている人達の心情がわかる

これもたえさん、小さな頃から不思議だったんです。

小さな頃、たえさんは火葬場って、とても怖いところだと思っていました。

だって、つい最近まで頭を撫でてくれていたおばあちゃんを、焼いてしまうところですよ?←こんな風に感じたのです

怖すぎるって思っていたので、こんなところ(失礼)で働く人って、とんでもなく怖い人って感じていたんです。

そんな気持ちは、大人になっていくと、ある意味尊敬の気持ちに変わっていきました。

それと同時に、この仕事をどんな思いでされているんだろう、という疑問も生まれてきました。

はい。これはたえさんの本業である「執筆業」の職業柄ですね。

人観察と言いますか、相手が何を思ってこういう感じなのか、というのをついつい考えてしまうんです。

そんな疑問も、このコミックを読んで、なんとなく理解できた気がします。

一言で言うと、

「皆さん、誇りを持っていらっしゃる!」

ということ。

変な表現かもしれませんが、焼き方一つにしても、それぞれにこだわりがあり、ご遺体を大切に思う気持ちもとても強いということ。

この本を読んで、たえさんはさらに、火葬場で働く方々を尊敬する気持ちが強くなりました。

登場人物、1人1人の個性も強いお話ですよ。

最後に

この本は、たえさんが働いている書店で、とある男性の方が「取り寄せ」注文をされた本でした。

わざわざ取り寄せするほど、といった意味で、まず気になりました。

続いて、タイトルが気になって仕方がありませんでした。

次に、到着したコミックのあらすじなんかを見て、ますます気になりました。

そしてとうとう、自分でも注文して取り寄せた次第です。

たえさんは、取り寄せて正解だと思いましたよ。

新しい知識というか、知らなくてもいいことだったかもしれませんが、知っていると「お見送り」の際に、また違った気持ちも感じられるからです。

実は、末の妹が、葬儀場に勤めています。

火葬場ではないのですが、やはりお見送りの際にはいろいろあるようで、たえさんは思いました。

人生の最期、火葬場には「さまざま」なドラマがあるんだなぁって。

その一部を教えてくれるのが、この「火葬場で働く僕の日常」だと思いました。

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Originally posted 2022-09-04 15:58:43.

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